マーケッティング入門:第5回  マーケティングの手順と手法

サラリーマンOBが独自の視点で解説する
マーケティング入門

第5回 マーケティングの手順と手法

個人会員 金野 成男

 マーケティングの手順を、今はやりのChatGPTに聞いてみました。

 「マーケティングを進めるには、まずR-STP-MM-I-Cの手順に沿って計画を立てる必要があります。その後、計画を実行し、コントロールすることで、マーケティングの目標を達成することができます。 マーケティングの計画を立てる際には、以下の点に注意してください。

:リサーチは、市場や顧客の現状や変化を常に把握するために重要です。リサーチは一度だけではなく、定期的に行うことが望ましいです。
:セグメンテーションは、市場を細かく分析することで、顧客のニーズや価値観を理解することができます。セグメンテーションは、市場の規模や成長性、競争状況、自社の強みや弱みなどを 考慮して行うことが必要です。
:ターゲティングは、セグメンテーションで分けられたグループの中から、自社の商品やサービスに最も適したものを選ぶことです。ターゲティングは、顧客の魅力だけでなく、自社の目標や資源も考慮して行うことが重要です。
:ポジショニングは、自社の商品やサービスがどのような価値を提供するかを明確に伝えることです。ポジショニングは、競合他社との差別化や顧客のニーズや期待に応えることができるかどうかを考えて行うことが必要です。
MM:マーケティングミックスは、商品やサービスを販売するために必要な4つの要素を決めることです。マーケティングミックスは、ポジショニングに沿って行うことが重要です。また、4つの要素は互いに調和していることが望ましいです。
:インプリメンテーションは、マーケティングミックスに基づいて具体的な施策を実行することです。インプリメンテーションは、スケジュールや予算などを管理しながら行うことが重要です。
C:コントロールは、インプリメンテーションの成果や効果を測定し、評価し、改善することです。 コントロールは、事前に設定した目標や指標に基づいて行うことが重要です。

 以上がマーケティングを進めるための基本的な手順です。もちろん、これらの手順は柔軟に変更したり、繰り返したりすることもできます。マーケティングは常に市場や顧客に合わせて進化する必要があります。マーケティングを進める際には、自社の商品やサービスだけでなく、市場や顧客の視点から考えることが大切です。」

 みごとに経済学者のフィリップ・コトラーの提唱するマーケッティング手順を参照してくれました。教科書の様にいかないのが世の常、さすがChatGPTは最後に柔軟に変更・繰り返すなどのアプローチをするようコメントしています。(最初の回答にはセグメンテーションが抜けていたので、指摘して修正して貰いました。機械翻訳と同様鵜呑みにするのは禁物です。)

 次に個々の手順で使用するマーケッティング手法について紹介します。なお、多くの専門誌が出ているので、詳細はそれらに任せるとして、ここでは簡単な紹介に留めます。
Rフェーズ:リサーチ段階では市場調査などの数字だけでなく、顧客、競合との関係を掘り下げ分析することも重要です。
3C分析:元マッキンゼーの大前研一氏が提案するマーケッティング分析手法です。市場を単に規模や成長性などの数値で見るだけでなく、下図のように競合を含めた3者の関係の中で分析します。同様な分析手法にマイケル・ポッター提案のファイブフォース分析があります。5フォースは「5つの脅威」と訳されています。
 どちらも有効な市場分析手段ですが、3C分析は顧客と自社、競合と自社を対比することで自社の強み/弱み、機会/脅威が明らかに出来る、一方5F分析では関係するすべてのパーティを含めて検討することで業界全体の競争状態を詳細に把握できるなどの違いがあるので、使い分けると良いです。個人的にはシンプルな3Cが第1ラウンドには良いと感じます。

 5Fは、新規参入、代替品の脅威についての考察をすることで、視野の広い検討になります。5Fは教科書では上図の様に、競合を真ん中に置いて残り4つのフォースで囲む図が載っていますが、個人的には右図の様に自社を真ん中にして、5の脅威で取り囲む方がイメージを捉えやすい気がします。

 また、現役時代には「顧客の顧客」や、「顧客の代替」を含めたて6F/7F分析と称して活用していました。 例えば、化学会社が顧客の場合、顧客の顧客である自動車会社の動向が顧客の設備投資に影響を与えるし、自動車会社が顧客の場合、電気自動車の普及(代替)により部品点数・部品の種類が大きく変化します。

 次回は、同じくRフェーズのSWOT分析やS・T・Pフェーズ以降の手法を紹介します。

以上


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