横須賀通研通りで出会った子狸2匹

町の風景シリーズ

横須賀通研通りで出会った子狸2匹

   個人会員 奥谷 出

 年の暮れも押し迫った師走の半ば、その日は暖かい日であった。武から通研通りを通って野比の方向に向かっていた。欅の街路樹は朽ち葉色になっていたが、ところどころ落葉してその後に若葉を芽生えさせている木もあった。近年ではニューノーマルな風景である。

 そんな風景の中を進んでYRP通りに分岐する30メートルほど手前に来たときだった。左側の歩道に2匹の動物がいた。姿から子狸であることはわかった。狸といえば、腹を膨らませた、ポンポコリンの姿形を連想するが、そんな姿は微塵もなく痩せ細っている。この先、冬越えをできるのであろうかと心配にもなる姿であった。

 2匹の子狸は、左右を見廻しているように見えた。そして、2匹は道路を横切り始めた。一匹はそのまま道路を横切ってしまった。もう一匹は、途中で用心深くもう一度左右を眺め、そして戻ってしまった。車はその子狸の前を通過した。YRP通りの方へ左折するとき、左の歩道を見ると、まだ、車が通り過ぎるのを待っている白地に黒の斑の子狸がいるのが見えた。

 あの子狸は道路を横切れただろうか。野生の狸を見たのはまだ現役の頃だったから、30年も前のことである。懐かしい気もしてきた。無事に冬越えができることを祈った。


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