コーチング:No.3 ドリームキラー

コーチング・入門から実践まで

No.3 ドリームキラー

個人会員  長嶋みさき

 実は目標や夢の実現を邪魔するものが、人の脳の中、心の中には沢山存在します。自分の中から生まれるものもあれば、周囲が妨害者になってしまうことも少なくありません。今回はそれらの除去も含めた「意識リスクマネジメント」のお話をします。コーチングは、人が本心から願う「ありたい」自分を応援して、実現する手助けをするので、自己実現を妨げる要因を取り除いていくことは重要な仕事となります。

 ドリームキラーという言葉があります。早くは幼少期から遭遇します。子供が「何々になりたい」と夢を語り出した時に、その夢が大きければ大きいほど、「お前にそんなことは無理だ」「そんなことを言ったら人様に笑われる」などと周囲から言われます。無理じゃない、とはねつけられれば問題はないのですが、子供時代、青春時代は周囲の言葉の力は想像以上に大きく破壊力があります。お前には無理だ、という言葉が洗脳的に定着してしまい、大きな夢に向かうための努力や集中をしなくなってしまいます。厄介なのは、それが決して悪意から出た言葉だけではなく、無難で平穏な将来を生きてほしいという親心からだったりするのです。
だからと言って、かつて家族から言われた言葉を恨みながら大人になった今の自分の境遇を呪う必要はありません。自分の意識の持ち方を客観的に理解して、かつてドリームキラーに植え付けられた思い込みを外すことで、もっと自由に夢や目標を実現することができるようになります。

 ここにちょっとしたチェックポイントがあります。

  • 自分を卑下する言葉を使いがちである
  • 自分で決断するより人に指示される方が楽
  • 冷静に反対意見を述べることが苦手

 二つ以上に思い当たる人は、人生のどこかでドリームキラーの言うことを聞いてしまった可能性があります。コーチングが進み、セルフコーチングができるようになると、現在の考え方や意識の持ち方が、これまでの人生のどこで生まれたかが分るようになります。そして自分を過小評価しなくなり、次第に持っている能力を発揮するようになります。

 自己実現にブレーキをかけてしまうドリームキラーの一例として、私はよく日本人の年齢への反応を例に挙げます。「子供のくせに」「もういい大人なんだから」「年甲斐もなく」など、他人は様々な枠をはめようとします。
 デンマークで仕事をしていた頃、妻の方が夫より20歳上の夫婦と知り合いましたが、婚姻届を出したその日まで互いの年齢を聞かなかったと知り、当時は大変驚きました。また現在アメリカなどでは、就職の際に雇う側は年齢を聞いてはいけない決まりになっています。
 年齢にとらわれないことも、重要な意識マネジメントになります。人は自由に年をとり、自由に夢を叶えることができることを、意識の片隅に置いていただければと思います。