遍路鳥類図鑑
N0.4 ルリビタキ
室戸岬から高知市へ
個人会員 仲田 清
今回は幸せの青い鳥「ルリビタキ」。瑠璃(るり)3鳥の一つです。
第二十六番・金剛頂寺の宿坊を発ち、険しい山道を下りると国道を挟んで海に張り出した岩場があります。ここが空海=弘法大師が修行をした不動岩と言われる聖地です。不動岩を海側に回り込むと小さな洞、さらに先端まで行くと太平洋に面して平らな岩場が開けています。不動岩の入口に、不動堂-昔金剛頂寺が女人禁制だった頃、女性はこちらの堂をお参りしたことから-別名“女人堂”があります。


不動岩から国道55号を海岸線に沿って北西に進みます。徳島から室戸岬までに比べ平地が広く、人家も多いためか温和な雰囲気ですが、昔から何度も津波の被害に遭っています。津波避難タワーが何ヶ所も設置されており、南海地震が身近なのだと実感しました。

第二十七番・神峯寺への登り口にある避難タワーを横目に歩いていると、用水路の堤をセキレイが尻尾を振り振りトコトコ歩いていました。胸とお尻が黄色いのでキセキレイのようです。そういえば室戸岬の第二十四番・最御崎寺を下ったところでもキセキレイに逢いました。本来はキセキレイの方が多いのだそうですが、横須賀で見るセキレイはほとんどハクセキレイで、清流を好むキセキレイにはめったにお目にかかれません。高知は水がきれいなんですね。
ここで一句。「高知では セキレイといえば 黄鶺鴒」 (俳句というより川柳ですね。)


金剛頂寺から神峯寺までは32㎞あり、途中の奈半利で一泊しました。神峯寺は標高450mを一気に登って下って、次の第二十八番・大日寺までも37㎞と前後が空いていることもあり、ちょっと気の重い札所です。奈半利からもう少し先で泊まれると楽なのに、丁度よい場所に良い遍路宿が無いのも気の重い要因のひとつかな。
大日寺まで、途中タイガータウンこと安芸市や手結港の可動橋を抜けていきます。


第二十八番・大日寺まで来ると、もう高知市の郊外といった感じで商店・住宅街を歩きます。気が緩んできますが、住宅街を抜けると、最後に100mの登りです。大日寺という札所はこの二十八番を含め、徳島に第四番と第十三番の三ヶ所あり、全部大日如来がご本尊です。近くには日本三大鍾乳洞の一つ「龍河洞」があります。車で10分程度、歩いても6Kmなので、ぜひとも足を延ばしてください。

最後の100mを登りきり山門をくぐって、ひょっと横を見ると、木陰に青い小鳥が餌をついばんでいます。スズメ大の青い小鳥です。初めて見ましたが、一目で「ルリビタキ」と分かりました。鮮やかな青色の翼と黄色いわき腹が印象的です。2mくらいしか離れていませんでしたが、木の葉がうまく目隠しになって呉れたおかげで、じっくりと眺めることが出来ました。


冒頭に書いた瑠璃三鳥とは、「ルリビタキ」および「オオルリ」、「コルリ」の日本を代表する青い鳥、この3鳥を指します。
ここで、いつもの様に、サントリー「日本の鳥百科」に解説してもらいましょう。
『オスが立派に青くなるまでは約3年
全長14.5cm。オスは青いからだ、メスは尾だけわずかに青色です。日本では北海道と本州・四国の高地に繁殖し、冬は主として関東地方よりも南の地方の山地か、低い山地の林に移ります。繁殖期には木の中や時に枝先で高く澄んだ丸みのある声で、「キョロ キョロ キョロリ」とさえずったりします。冬も1羽ずつで生活しています。明るい林よりも暗い林を好みます。オスの色彩は生まれて2年で完成しますが、1年目でも繁殖します。幼鳥はオスもメスによく似た色彩なので、メスだけで繁殖?などと見間違いすることもあるようです


サントリー「日本の鳥百科」より-写真も)
注:サントリー社様より許諾を得て転載しています。』
今日は大日寺の後、第二十九番・国分寺、第三十番・善楽寺を打って、高知市に泊まります。久しぶりの都会、今夜は「はりまや橋」界隈で皿鉢料理に司牡丹か酔鯨で一杯と行きましょう。焼酎なら珍しい100%栗でできた「ダバダ火振」もお薦めです。
今回は金剛頂寺から善楽寺まで約80㎞、途中一部バスにも乗って2泊の行程でした。

以上