遍路鳥類図鑑:N0.3 ハヤブサ

 遍路鳥類図鑑

N0.3 ハヤブサ
太平洋に沿って室戸岬へ

個人会員 仲田 清

 今回も猛禽類です。“ハヤブサ”、漢字で書くと「隼」、鉄オタはブルートレインの「はやぶさ」を連想されるかもしれません。

はやぶさ
はやぶさ

 徳島最後の宿・宍喰(ししくい)を発って、高知に入りサーフィンで有名なちょっとお洒落な生見(いくみ)ビーチを過ぎると、あとはひたすら太平洋を左に眺めながら、今日の宿“ロッジおざき”を目指して歩きます。岩、小石の浜が続くこの辺りは、嵐の日には小石が「ゴロゴロ」と音を立てることからゴロゴロの浜と言われ、道のない時代は難所の一つでした。今でも生見から室戸岬の間は右手は山が迫り、左は太平洋とほとんど平地がないため、集落も数えるほどしかありません。

室戸海岸1
室戸海岸1
室戸海岸2
室戸海岸2

 ここで歩き遍路を計画している人に忠告です。【水分と食料の用意はお早めに!】 生見でおにぎりとお茶を買い忘れ、その後コンビニはおろか自販機も見つけられず、朝買ったペットボトル1本とカロリーメート1箱で、宿にたどり着きました。晩御飯の美味しかったこと。特に高知は人里離れて歩くところが多いので、要注意です。

 翌日、室戸岬の第二十四番最御崎寺(ほつみさきじ)を目指して“ロッジおざき”を出発、昨日に続いて海岸に沿って歩きます。わずかに湾曲した海岸線を岬から次の岬を目指すことで単調な歩きも頑張れます。サラリーマンの悲しい性ですね。宿を出て初めての岬は、下の写真の夫婦岩です。近づいていくと、しめ縄のすぐ上の岩の頂きにお腹の白い「ハヤブサ」が止まっています。遠くからでははっきり判りませんが、岩の上に巣があるようです。

夫婦岩
椎名

 椎名の集落を抜けると、次の岬が見えてきました。近づくと海に張り出した岩山の上に夫婦岩と同じく「ハヤブサ」がいます。岬を回って岩山の反対側から見ると、先ほどのハヤブサの右手にもう一羽、更にその下に一羽、こちらを睨んでいました。この辺りはハヤブサの溜り場のようです。

 黄色のアイリングに黒目がしっかりこちらを睨んで?いて、黄色い足の爪で今にも襲ってきそうです。

ハヤブサ
にらむハヤブサ

 

ここで、いつもの様に、サントリー「日本の鳥百科」に解説してもらいましょう。

ハヤブサ(サントリー「日本の鳥百科」より)
ハヤブサ(サントリー「日本の鳥百科」より)

 ハヤブサはハヤブサ目ハヤブサ科に分類される広義の猛禽類ですが、最近の研究でDNA的にはタカ類とは別の種でインコやスズメに近い仲間だそうです。後で出てくるチョウゲンボウもハヤブサの仲間です。

 朝7時に歩き始めて、ちょうどお昼に室戸岬に着きました。宿から15km、第二十三番薬王寺から84km、速足の人で3日、普通なら4日の道中です。岬の崎まで来ると水平線270度の眺望が広がり、地球の円さを実感します。

第24番最御崎寺
第24番最御崎寺
室戸岬
室戸岬

 岬から少し戻り、山道を20分ほど登ると第二十四番札所・最御崎寺に着きます。少し歩いた室戸岬灯台からの太平洋の眺めは格別です。今日は第二十六番・金剛頂寺の宿坊に泊まります。途中室戸市内の第二十七番・津照寺にお参りしながら、海岸沿いを今度は北西に上り、元橋のバス停からは又山道です。「どうして山の上にある寺が多いんだろう?」とため息が出ます。山に入る手前の電柱にチョウゲンボウ(長元坊)が止まっていました。鳩サイズの目がクリっとかわいい顔をしていますが、嘴は立派にハヤブサの仲間です。

チョウゲンボウ(長元坊)
チョウゲンボウ(長元坊)

 今日の行程は約25km、下の青い線です。

今日の行程は青い線(約25km)
今日の行程は青い線(約25km)

以上