第7回経営研究・懇談会の開催報告(平成27年2月)

第7回経営研究・懇談会(経営者交流会)の開催報告

開催日時 2月17日(火) 18:00~20:00
会場 産業交流プラザ 3階 特別会議室
話題提供者
かながわ信用金庫 (当会 法人会員)
片岡 祐二 常務理事 様
経営サポ-ト部 田中 武志 課長 様
話題 かながわ信用金庫の経営サポ-ト体制について
参加者 法人会員:14名、 個人会員:11名

はじめに

 片岡常務理事さんより、かながわ信用金庫は、はじめ三浦・藤沢信用金庫としてスタートしたが、昨年1月に改名し、一年が経過した。神奈川新聞125周年特別企画Vol.1としてかながわ信用金庫の平松理事長のトップ・インタビュー記事が掲載されたとの紹介があり、地域密着金融機関として地域の再生・活性化への思いや取り組み、信用金庫の経営理念などが述べられているので見て頂きたい。本日は経営サポート部の田中課長より、表題について講演させて頂くとのご挨拶があり、バトンタッチされた。

講演の概要

田中課長の講演風景

田中課長の講演風景


 かながわ信用金庫は平成25年度実績で預金残高 約8,400億円、貸出残高約4,500億円、従業員約750名の金融機関で、その基本理念は信用金庫の公共性と責任を自覚して、地域社会のために奉仕し、その期待と信頼に応えることである。中期経営計画としては、「強くてやさしい信用金庫」を目指して、・・・「強い」即ち強い財務体質を確立し、「やさしい」即ち地域密着型金融を推進するとのことである。

  1. 当金庫について
  2. 中小企業を取り巻く様々な環境の変化 ~経営サポートを行う背景~
  3. 当金庫の経営サポート体制
  4. 当金庫の外部専門家、外部機関との連携状況
  5. 当金庫の経営サポート体制
  6. 具体的な経営サポートについて
  7. おわりに

中小企業を取り巻く環境変化

 中小企業は日本全体の企業数の99.7%を占め、その従業員数は約70%を占める。その環境は経済成長率で見ると10数年に亘って、低成長率が継続しており、どの業界も競争の激化が続いている。またその業況判断(DI)は1997年のバブル崩壊後は長期にわたって悪い状態が続いている。一方中小企業者数は減少傾向である。環境は消費税増税・財政問題・アジア各国の台頭、少子高齢化・生産年齢人口減少、アベノミックス成長戦略・原材料価格上昇・環境エネルギー問題。TTP等々経営の前提条件の変化が著しく、経営革新による構造変化への対応が不可欠になっている。特に経営者のマネジメント力が求められ、変化に対応するしなやかな発想での復元力が重要になっている。
 しかしながら、厳しい環境であっても成長している中小企業はあり、変化を意識し、挑戦する経営者にとっては大きなチャンスがある時代ともいえる。
 かながわ信用金庫は構造変化に対応する中小企業者を資金面だけでなく、経営面においても充分サポートすることが必要と考えている。

経営サポート体制

 平成24年8月に「中小企業経営力強化支援法」が設定され、かながわ信用金庫は平成24年11月に経営革新等の支援機関として中小企業庁の認定を受けた。取り扱うことができる相談内容としては創業支援、事業計画作成支援、事業継承、M&A、生産管理、品質管理、情報化戦略、知財戦略、販路開拓、マーケッティング、人材育成、BCP作成支援、金融、財務等々などで相談内容によって関係部署、業務提携先等と連携してサポートする。
 外部専門家、外部機関としては主な連携先は神奈川県中小企業再生支援協議会、横浜中小企業診断士会、(財)神奈川産業振興センター等々が挙げられる。

当金庫の主な経営サポート

 企業のライフサイクルに亘って次の経営サポートを実施している。

  1. 創業・新規事業開発
  2. 成長支援
  3. 経営改善・事業開発再生支援
  4. 事業継承・M&A支援

 それぞれ、セミナー開催、創業計画、経営改善、補助金申請、M&Aマッチング支援などを行っている。

 次に上記のそれぞれの具体例について、取組の内容、改善のポイント、成果等について紹介があり、中小企業の経営サポートについて多くの支援実績を上げておられる様子が良く分かる講演であった。

 なお、その他のサポートとしては下記も実施している。

  • SWOT分析
  • 海外展開サポート(日本貿易振興との連携(経済産業省:海外展開一貫支援ファーストパス))
  • 農商工連携、6次産業化サポート
  • 財務の見方
  • 財務診断提供

質疑応答及び懇談会風景

質疑応答及び懇談会風景


 法人会員以外の企業の方も参加され、講演終了後はビールを飲みながら、参加者の自己紹介と質問・意見交換が行われた。参加企業の方々からは大変有意義な講演会であったと好評を得た。

(槌谷 祐一記)

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