第6回経営研究・懇談会の開催報告(平成26年9月)

第6回経営研究・懇談会の開催報告
(経営者交流会)

日時: 9月17日(水)18:15~20:00
場所: 産業交流プラザ3階 第4会議室
話題提供者: (有)湘南安全硝子 濱田徹会長
演題: 私の人生

はじめに

 まず初めに司会者から本日の話題提供者の(有)湘南安全硝子会長及び社会福祉法人誠心会の理事長を兼務されている濱田徹氏の紹介が行われた。1965年(昭和40年)に大学を卒業後、堀硝子(株)に就職された。1972(昭和47年)には(有)湘南安全硝子を起業され、その後1986年にはサイパンで(株)ワールドセブンを設立した。1999年にはサイパンの親善大使を委嘱されている。2010年には社会福祉法人の誠心会の理事長に就任され、事業と福祉にご活躍中である。

講師の紹介

講師の紹介


 講話に入る前に、9月に新しく入会した阿部勝男氏と特別参加の神奈川信用金庫の片桐大津支店長の紹介が行われた。阿部氏は日立製作所(株)のご出身で、現役時代はハードディスクの工場の運営にタッチされ、現在は町内老人会の会長をされている。信用金庫大津支店は湘南安全硝子と少なからぬご縁があり、本日片桐支店長が参加されたとのことである。

濱田会長の講話

 間もなく後期高齢者入りの年齢になったが、人との付き合いでは“誠心誠意”をモットーに歩んできた。いろいろな事業を手掛け、変化に富む人生を歩んできたが、思い起こすと、原点は学生時代の体験に由来するとも思える。中学・高校は開成でクラブ活動は剣道部とヨット部に所属していた。剣道では三浦半島大会の個人戦で優勝し、みんなから一目置かれる存在になったことを思い出す。大学時代はアルバイトに忙しく、石炭を運ぶため大型免許も取得し、運送屋さんから、朝 急に大根・スイカ運搬に駆り出されたこともある。家庭教師も経験した。就職に当たっては内心独立を志して、堀硝子(株)に入社した。

堀硝子(株)時代

聴講する会員たち

聴講する会員たち

 入社した時代は高度成長の始まりの時期で、営業で日産本社に出向いたところ、礼の姿勢が良いと気に入られた。入社2年目で全国に自動車硝子の販売を始めた。営業マン3人で北海道・関東・関西を分担し、2週間販売して回ったこともある。26歳係長時代に売上1億円を達成した。
 そこで突然、当時集団就職者の募集のため、沖縄に派遣された。若造が高校を訪問しても一人も採用できず、ホテルでしょ気ていたところホテルの社長さんに紹介されて、訪問し10名も採用できた。沖縄では人のつながりが大切ということを学んだ。その後、販売額は10億円を超えた。

(有)湘南安全硝子起業

 30歳となり、横須賀は大津で(有)湘南安全硝子として独立し、車の安全硝子を中心にして現在社員25名の会社に成長した。ラジェーターの販売にも手を出した。FRP(繊維強化プラスチック)を販売してくれないかとの話が持ち込まれ、造船も始めた。FRPでヨットY15を80隻製造した。

ワールドセブン(株)設立

 1986年に設立し、カーボンファイバーのヨットを製造した。近畿ツーリスト(株)からサイパンに来てサイパン観光に協力して欲しいと要請され、サイパンでの観光業を始めた。サイパンは自然が素晴らしいところで、底の見える観光船などを製造した。1999年には大統領よりサイパンの親善大使の委嘱書を授与された。その後観光船として双胴船を発注したところ、船が壊れ、失敗に終わった。賠償金を5億円支払うことになり、ワールドセブンは解散した。その際、神奈川信用金庫大津支店では、融資してもらい、助けられた。

社会福祉法人“誠心会”(養護施設)支援・運営

 学生時代の恩師から依頼され、2010年に理事長及び施設長に就任し、久里浜 長瀬に”しらかば子どもの家”(養護施設)、”しらかばベビーホーム”(乳児院)を設立し運営している。

 濱田会長は学生時代に独立の志を抱き、まさに波乱万丈の人生を歩んでこられた。剣道で培った礼儀作法、人に対する“誠心誠意”の姿勢が多くの人に共感され、紆余曲折はあったが、チャレンジ精神とバイタリティーあふれる事業家として、成功されている。最近では社会福祉の世界でも活躍し、社会貢献されている人生に会員一同感銘を受けた講話であった。

(槌谷記)


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