第3回 粋に生き活きクラブ集会報告(平成25年10月)



第3回 粋に生き活きクラブ集会報告


 第3回集会が、次のとおり開催された。

日時: 平成25年10月1日(火) 17:30~20:00
場所: 産業交流プラザ 第4会議室
話題: 貴金属(金)の話・あれこれ
プレゼンテーター: 阿部 昭彦氏


 プレゼンテーターの阿部氏は、産業クラスター研究会の活性化に心を砕き、その必要性を訴え、対応策を提案した人であるが、貴金属業界出身のOBとして、やはり、自分の出自を語りたかったのであろう、オーソドックスに、「貴金属の話・あれこれ」と題して、語り始めたのだった。

 機中で隣り合わせた、初老のご婦人とウィスキーを4本も空けたという面白い話は期待できそうもないが、「あれこれ」には含みがありそうだ。さて、何を話してくれるのであろうか? 噂によると、すでに予行演習を済ませているという。準備万端の船出ではありそうだ。


プレゼンテーション資料の紹介

 当日、配付されたプレゼンテーション資料によると、パワーポイントではあるが、総ページ数35ページ、ご静聴感謝分を含めると、36ページの大作である。字数は別にして、ページ数だけを取り上げれば、短編小説の域に達している。
 このページ数に、プレゼンテーターの、貴金属業界出身OBとしての、活性化に腐心する中心人物としての、意気込みが感じ取れるのである。
 
 そして、目次は下記。

  1.貴金属とは
  2.金の話
   (1) なぜ人類は金を求め続けるのか
   (2) 金の価値とは何か
   (3) 世界の金市場とロンドン金市場公認業者
   (4) 金の話・あれやこれや
   (5) 相場資料
  3.白金の話
  4.貴金属の埋蔵量


話はあくまでもオーソドックス

  貴金属とは、
    希少、耐腐食性、加工性に富む。
    産出量と産地、貴金属の用途

金の延べ棒

金の延べ棒


  金の話
    金の二面性―――資産的側面、材料的側面
    金の発見(6,000年前)―――なぜ人類は金を求め続けるのか
    世界の金の埋蔵量
 
金の採掘は困難を極める

金の採掘は困難を極める


    世界が認めた金の普遍的価値
    金の価値とは何か
    人類の価値の尺度となった金
    金が財産となった金の自由化
    金価格の推移
    世界の金市場とロンドン金市場公認業者

 と、オーソドックスな話は続く。


しかし、興味本位な側面のサービスも

 「金の話・あれやこれや」は、予想通りの裏話がちょっぴり。

純金風呂

純金風呂

◆ 純金風呂
  • 昭和39年、伊豆船原ホテルに世界で初めて誕生。
  • 使用した金の量140kg。現在の価格で5億6千万円。金が自由化されていなかったので、調達には困難を極めたという。
  • 美術品として後世に残したいとかで、風呂と部屋のデザインは、第一人者で芸術院会員の北村 西望先生に。
  • 製作は田中貴金属工業株式会社。製作費は1億3千万円。
  • 銀座をパレードして納品し、世間の注目を浴びたというから、広報価値は十二分である。
  • 2分間1,000円ながらも予約が殺到し、連日満員の盛況ぶり。約2年で製作費は原価償却したというから興行的には成功ということであろう。
  • しかし、とんだ後日談がある。1983年に火災のため廃墟と化し、かの純金風呂は盗難の憂き目に。今は、日帰り温泉施設とか。後世に残すという夢は、夢のまた夢。
◆ 金箔はどこまで延ばせるか
 和紙の間に挟んで打ち延ばすと、1gの金が何と半畳にまで延び、日本が誇る金箔製作技術だという。金箔の延びかたには驚くが、和紙の利用範囲の広さにも脱帽する。
 恐らく、創作者の意図を超えているのであろうが、その応用に、その製品の技術の粋の高さを見る思いがする。
◆ 金閣寺の金箔
 100ミクロンと厚く、20万枚、20kgの金が使われたという。
1987年の張替えで、総工費は7億4千万円。

などと、話は続いた。

 しかし、「価格予想はタブー」、「金の偽物」、「悪徳商法の横行」などと続けて、釘を刺しておくことも忘れてはいない。


次回のプレゼンテーターは

 プレゼンテーションが終わって、談論タイムに入り、話は弾んだ。前回の反省から、時間は、十分とは言えないまでも、不満の残らない程度には設けられた。主催者の配慮である。
 そして、そのタイムに区切りをつけるように、プレゼンテーターは、次回の指名権の特権云々の蘊蓄を並べると、やおら、伊橋 俊彦氏を指名された。既に心積もりがあったらしく、迷うことなく指名されたのだった。伊橋氏は、今年度入会の第一号である。さて、何を語ってくれるのであろうか。乞うご期待。


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