日露国際交流少年野球観戦記(平成25年8月)


日露国際交流少年野球観戦記(平成25年8月)

 縁があって「NPO法人世界ベ-スボ-ル普及協会(代表 伊藤 元治さん)」と他共催の日露国際交流少年野球を観戦しました。場所は横須賀スタジアム。昨今の少年野球の状況はあまり知らないため、実際のところ どういう状況なのか大変興味があり、観戦に行った次第です。開催の様子・結果については8月28日付け神奈川新聞で既に報道されていますが、ロシアベンチ3塁側観客席から見た状況、特に練習風景をお伝えしたいと思います。

日露国際交流少年野球観戦記

日露少年野球風景


 まず驚かされたのはロシア選手は皆さん背が高い。180cmはあるのではないでしょうか。対戦相手の「横須賀中央シニア」は中学生。並んで立つと大人と子供。子供の方は分かるのですが、ロシア選手は本当に少年?といった感じでした。14歳から18歳であると、上記の報道で納得しました。
 ロシアの少年?選手は未だ野球を始めたばかりということで、それは練習にも随所にあらわれていました。例えばキャッチボ-ルやトスバッテイング、シ-トノックの集中度、パスボ-ルのカバリングなどぎこちないこと。一つの練習から次の練習に移る時のスピ-ドなど。
 一方 横須賀中央シニアの中学生は身体こそ小さいがよく統率の取れた練習風景を見せていました。柔軟体操からランニング、集中ストレッチ、キャッチボ-ル、トスバッテイング、シ-トノックまで30人くらいの集団がきれいな流れで、遠くから見ていると高校生か大学生の練習風景と見まがうばかりです。掛け声を出しながら、一糸乱れぬ練習というのも野球特有のものなんでしょうか。
 また試合開始前の挨拶。選手同士の挨拶のあと審判団にも選手は声を出して挨拶をするのが通例ですが、ロシア選手は茫然と見ているだけ。少し戸惑った様子が初々しい感じでした。規律正しい練習、礼儀正しい挨拶、試合開始前の選手自身によるグランド整備などに多分ロシア選手は驚いていたのではないでしょうか。筆者は決してロシア選手を責めているわけではありません。また横須賀選手団を賞賛しているわけでもありません。

 正岡子規の一句、
   久方の アメリカ人の はじめにし ベースボールは見れど飽かぬかも

 子規の時代の私たち日本人の青少年もロシア選手団以上の戸惑いと津々たる興味を抱いたのではないでしょうか。

 もう一つ
  国人と とつ国人の 打ちきそふ ベースボールをみればゆゝしも

 横須賀は戦艦三笠がある所。日露戦争開戦、日本海海戦はいつだったのか。フト想いが行った観戦の後でした。

(佐々木興吉記)


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