シリーズDX化を進めたいけれど

シリーズ 「デジタル思考で目指すDX」

  シリーズDX化を進めたいけれど  
~どうすればよいのか?
~どのくらいの投資が必要か?
~DX化の意味は?

DX/デジタル研究会 伊澤 俊夫

 2020年初め、中国発と言われているコロナウイルスの蔓延は、グローバル化してきた世界経済に急ブレーキをかける状態になった。世界中で多くの犠牲者を出した新種のウイルスを抑え込むために、高性能検査機器の開発・量産、そして常に変態・新種に対応する為にmNRM(遺伝子組み換えワクチンーファイザー、モデルナ)を短期間に開発した。その開発スピードを可能にしたのは、コンピュータによる解析技術とその他のデジタル技術の進化と言われている。

 約100年前、1918年~1920年の3年間に世界中で大流行したスペイン風邪は、アメリカ軍からヨーロッパに広がったとされている。当時は第1次世界大戦下で情報集計も不明確な所もあったが人類の30% 約5億人が罹患し、死者は1億人とも言われている。コロナウイルスの罹患6億7千万人、死者数7百万人(現在の世界総人口80億)と比較しても、当時のパンデミックスは凄まじかった。
 パンデミックスからいち早く立ち直った米国は、自動車産業を始め食料品や衣料など大量生産、大量消費の時代に移った。その為過剰投資が進み、米国への富の集中がいわば、バブル経済の状態となった。激しい経済力の不均衡が引き金となって、社会生活の至る分野でバランスが崩れて世界的な恐慌となった。各国は、この飢餓、貧困からの脱却を求めて武力を持って他国の利権を犯す第二次世界大戦が勃発。
 世界を破滅に向けた戦争の中で、人類は新しい技術を生み出した。
 一瞬のうちに、多くの人を殺傷する原子爆弾は強大なエネルギーを生み出す新しい技術として、またイギリスでドイツの暗号を解読する計算機が、米国では弾道計算をするために真空管を大量に使ったコンピュータ技術が開発された。戦勝国米国は世界のリーダーとして、1950年代ではGDPの世界比率40%を占め、正に世界のリーダーであった。一方敗戦国日本は米国の占領下に置かれながらも国民全体が必死に働き、戦後の人口増加と合わせて、日本経済は急成長した。1980年代~90年代にはGDPの世界比率は1位米国25%、2位日本15%となった。
 当時の日本経済は、戦後の世界需要増加に応えるべく繊維・自動車・家電などの大量生産「良いものを安く早く」を合言葉に工業化を進めた。増加した収益を不動産の投資などに振り向け米国すらも買われてしまうのではという勢いであった。大企業と系列化された中小企業が一体となって進む工業化は日米の経済摩擦までになった。余剰資金の運用において研究・開発投資より手軽な不動産投資は結局、バブル経済となって破綻し、多くの企業のリストラを余儀なくされた。

 その後の世界的なコンピュータ技術・通信技術の進化による、情報化社会いわゆるソサエティー4.0で米国・西独がけん引し、韓国・中国などの伸長も著しい。特に情報通信・検索に係るIT企業として誕生したGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)4社の総売り上げ2兆ドルは世界のGDP比8.5%にもなる、その大きな影響力はさらに拡大、成長を続けている。
 デジタル技術の進化は、情報・通信の高速化だけではなくそれを高度に活用するアプリケーションソフトの開発が進んでいて、AI技術を活用したChat-GPT(文章作成アプリ)のような従来の仕事のやり方に大きな変化を与える技術も話題になっている。
 前段が長くなりましたが、歴史から学ぶことで混迷する現代社会においてDX化をやるか? やらないかではなく、何時からやるかー「今でしょ」の気持ちでこのシリーズを進めていきます
 技術の進歩は激しく、最先端の技術を習得している訳ではありませんが50年以上「モノづくりの技術と経営」にかかわってきた経験知(成功と失敗)をお知らせすることで、次世代に役立てればと考えています。

 ここで、Microsoft社―Bing AI検索より DXの定義を紹介しておきます。
質問:経産省の示すDXとはどの様な意味か?
回答:DXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略称で、企業や組織がデジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務プロセスを変革し、新たな価値を創造することを指します。経済産業省によると、DXは「デジタル技術を活用し、新たな価値を創造することで、社会課題の解決や競争力の強化を図ること」を目的としています。経済産業省は、DXの推進に向けて、企業や地域の課題解決に向けた取り組みを支援する施策を進めています。

 この文章を自分で関連情報を読み、文章作成するには少なくとも数時間を必要とするでしょう。しかし、それを一瞬のうちに作りあげることを可能とする技術を持って、業務プロセスを変革するとしているのです。この検証を自己の経験に戻して考えて行きたいと思います。


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