IoT研究会活動報告:設備稼働状況の見える化について

IoT研究会 伊澤 俊夫

 設備の稼働率を上げることは、その設備を使って製品を作る製造業にとって生産性向上・コスト改善の重要な課題です。そのため、従来から設備を止めない研究や改善・工夫の活動が行われています。
 一方、人的生産性向上を求めて少数のオペレーターによる設備の多台数持ちや自動運転化が進み、設備の停止状況を把握することが大変難しくなってきています。
 

【計画保全の取組】

 設備の非稼働要因を改善するためには、非稼働の原因を発見しその再発防止対策を実施することが大切です。しかし特に自動運転されている設備の不具合発生の瞬間をとらえることは大変難しく、従来は設備の保全や運転の熟練者が不具合箇所の応急処置的な対策と定期的な保全活動によって設備稼働率向上に取組んできました。

【予知保全へ】

 近年、各種センサーや通信技術の進歩によるIoT技術の活用が進み、設備稼働状況の見える化や、AI技術を導入し設備の劣化情報を分析することで、設備の突発的な故障停止を防ぎ有効な時期に予知的に保全活動を進め設備の総合効率を上げる取組が加速しています。

 IoT研究会では、過去の多様な経験を会員間で共有化しながら、様々な分野で進んでいるデジタル化―IoT技術活用の事例研究を続けています。IoT技術の活用は米国GE社やEUのシーメンス社などのグローバル企業が先行していますが、日本国内でも大手企業はこの分野に大きな資源を投入して活動を進めています。しかし中小規模の企業では投下できる資源も少ないため、先ず身の丈に合った技術・規模から始められる事例を勉強していくことにしました。

 設備の稼働状況を見える化する仕組みの事例は、

  1. 視覚的に稼働状況を監視する:監視カメラの映像情報を収集するシステム 〔NTT東日本〕
  2. 振動センサー情報を監視し異常振動で警報を出す: 〔NTTドコモ〕
  3. 設備制御装置(PLC)と接触・非接触センサーの組み合わせで警報を出す:〔富士電機〕

など多種多様ですが、今回勉強した具体的な事例は、従来から設備の稼働状況を表示する表示器の原点(回転式表示器)を提供している株式会社「PATLITE」社のIoTツール「Air Grid」です。
        
 「Air Grid」カタログから、構成と機能を見ると、
表示器の構成は、設備の稼働状況を視覚的に表示する部分と音で知らせる基本的な表示器の機能に加えて、設備の制御信号やバーコードレーダー・RFIDの読取データーなどを域内のデーター集計装置に無線通信するシステムになっています。これらの機能は必要に応じて追加することが可能になっています。

WD PROシステム構成
WD PROシステム構成

 また、【Air Gridが提供する機能を使って】以下のことができるとあります。

  1. 警報表示機能➡ 基本的な視覚的表示・音により設備の停止情報を素早く知る  
  2. データー通信機能➡ 停止情報をデジタル情報として記録・集計する
  3. データー分析表示➡ 収集されたデーターを分析し計画保全活動を実行する
  4. 外部入力信号の取りこみ➡ 設備の弱点部位などを解析する為に、電力負荷変動・振動や画像などのセンサーを付加する
  5. 設備性能劣化などの必要な情報を分析して予知保全活動を進める

 予知保全の活動は、設備の総合稼働率の向上に活用されます。
 この様に現在の身の丈に合ったところ・規模から活動を始めて、順次オプション機能を付加すること、更に進んだ監視システムとの連携を図ることによってIoT技術を高めて「設備の稼働状況の見える化」を可能とする基本的なシステムの1つとして有効であると判断するものです。
  
 詳細は  AirGRID WDシリーズ,パトライト|PATLITE   を参照してください。

 今回は【Air Grid】を紹介しましたが、これ以外にも「稼働状況の見える化」を可能とするシステムは各社から出ているので、今後も適宜研究会で勉強したシステムをご紹介します。


Comments are closed.