新しい公共
パートナーシップミーティング
in 葉山「葉山の山を考える」に参加して
個人会員 堀込孝繁
はじめに
私は10年あまり前から葉山町南部と横須賀市西北部にまたがる県有地の「湘南國際村めぐりの森」で、親子向けの自然体験イベントやドッグランの開催、茅葺屋根の材料となる萱刈り作業などを不定期で行っている「三浦半島自然ふれあい楽校」のメンバーであり、産業クラスター研究会としても参画メンバーに名を連ねています。
神奈川県が主催する「企業・NPO・大学パートナーシップ支援事業」の一環として、去る2月22日(日)に葉山町福祉文化会館で開催されたパートナーシップミーティング in 葉山「葉山の山を考える」に参加してきました。参加者はNPO・団体・大学・個人など葉山・逗子・鎌倉・横須賀などから聴講者も含めて60名あまりで、何かを決めることが目的ではなく、さまざまな立場で山に分け入って活動するグループや個人が出会う場として企画されました。
基調講演
神奈川県森林組合連合会の石鍋聡さんから、森林の定義と林業の現状が様々な観点から述べられた。
特に印象的な点を挙げると、葉山町の森林面積は881haで、このうち戦後に全国で多く造林されて今やスギ花粉の元凶となっている人工林は164haと20%に満たず、多くが天然の広葉樹林でほぼ民有地であること、全国のデータで林業従事者の災害発生率は10倍、平均年収は360万円と厳しいこと、葉山町の森林組合は組合員の減少や地理的要因から平成20年に解散したが、その後に組合形式によらない新たな取り組みとして一般社団法人葉山の森保全センターが設立されたこと、などでした。
事例発表
次に、葉山に合わせた新林業を目指して地元で活躍するグループの代表者4人の方から具体的な活動の紹介がありました。
前に触れた(一社)葉山の森保全センターは、従来の林業の枠を超えて都市型ならではの利活用を「森林業」として目指しています。
二子山山系自然保護協議会は地元住民・利用者・土地所有者・行政の橋渡しを行っています。
そして竹藪の手入れと竹の活用を進めている「葉山竹活・逗子竹活」、植物の栽培・加工を通じて多世代のつながりに取り組んでいる(一社)「はっぷ」といった方々です。
いずれも、葉山町ならではの新たな取り組みに触れることが出来ました。
グループディスカッション
この後、6~7人からなる7グループに分かれて、自己紹介に続いてやりたいこと、課題を出し合いました。
私が参加したグループでは、子供の教育の場としての活用を望む声や、スポーツイベント(オリエンテーリング、アドベンチャーレース、トレイルランニング)の実施、猟師の方からは猪肉等ジビエの加工処理施設設置など、多様な興味深い提案がありました。
一方で課題としては、土地所有者・管理者への折衝方法など情報の共有、仲間づくり、グループが継続するための資金、人材面でのマンパワーやスキルの限界などが挙げられました。今日の会合が相互に知り合う機会になったことは確かです。
林業の衰退と花粉症雑感
今はまさに花粉症で苦しむ人が目立つ時期です。私自身は不衛生な環境で育ったためか全く症状はありませんが、辛い様子の人を多く見かけます。これも間伐を怠った人工林が人々を懲らしめている「自然の復讐」の一例のように思えます。葉山の森林は初めに触れたように人工林が少ないので花粉症への「貢献」は少ないと思いますが、全国的に林業が衰退して間伐が少なくなったのは経済的な要因が大きいのでしょう。輸入建材がコスト・品質面で国産材を凌駕したことに加え、間伐材が使われていた需要(線路の枕木、建築現場の足場、公衆浴場の燃料など)がなくなりました。各地の森林組合では、以前から間伐材の新たな需要開拓に取り組んでいますが、切り出し・運搬のコストに見合うような付加価値が高く量産可能な商品化の話は聞いたことがありません。
新たな需要の見通しが前提となりますが、間伐材の切り出し・運搬については、AIを搭載した二足歩行の剛腕木こりロボットを作ることは今の技術であれば可能ではないでしょうか。だいぶ以前にテレビで「枝打ちロボット439(与作)」を開発した!というニュースを見たことがありました。木の幹に巻き付いて回転上昇しながら枝打ちをする簡単な構造で、ネットで見ると今でも安価で販売されているようです。
目指せ!間伐材切り出し搬出ロボット New439!