IoT研究会
IoT研究会では、2月に法人会員等にIoTに関するアンケートを実施しました。
お忙しい中、アンケートにご協力頂き、有難うございました。
8社からご回答を頂き、回答率は48%、業種的には全社製造業関係(製造業での回答率:60%弱)と、製造業での関心の高い事が分かります。ご回答いただいた企業には個別にお話しさせて頂いておりますが、ここではアンケートの分析結果を報告いたします。
1.IoT導入の目的
IoT導入の目的(解決したい命題)について見ると(図-1)の通り、品質向上、コスト改善が並んで1位で、次いで技能継承と商品開発と続く。
これを2017年関東経産局が出した中小ものづくり企業IoT事例集の集計結果(図-2)と比較すると、いずれも生産性向上を含めた現状改善が2/3を占め喫緊の課題であることが判る。また。技能継承と商品開発がほぼ同数あり、ものづくり企業のなやみは共通と判断される。
2.IoT導入のネック
導入に当たっての障害として、導入コストへの不安とIoTを推進するスタッフの問題が挙げられている(図-3)。また、手順が判らない、即ちIoTへの知識の課題も挙げられている。実際の導入に当たっては専門的な部分はITベンダーに依頼すると想定されるが、導入側でも最低限IoTの概念や、進め方のポイントを、実施例を交えて理解しておくべきであろう。
3.課題の見える化
人の問題、カネの問題は、まずどの様な人材が必要か、費用はどの位掛りそうかが想定されないと判断できない。先程の関東経産局資料からも、状況把握、即ち「課題の見える化」が重要な事が判る(図-4)。
一方、今回のアンケート結果(図-5)では、課題洗い出しを手伝って欲しいを含めると、課題が見えていないが、約60%あり、課題の洗い出しへの協力要請も多い。このことから、明確な経営的な命題に対して、具体的な解決への課題が見えていないことが判る。
IoTに限らず、「課題の見える化」が改善の第1歩であり、この部分は産業クラスター研究会の個人会員の現役時代の経験が生きる得意分野なので、地元企業に貢献できるところであろう。