丑に秘められた新たなる萌芽を想う

理事長ご挨拶
 

丑に秘められた新たなる萌芽を想う

木下 武理事長
木下 武 理事長

 新春を迎えお慶び申し上げます。

 本年は干支の2番目、丑年の新年を迎えました。
 昨年は、未曽有の新型コロナウィルス禍に見舞われ、緊急事態宣言が発令され、活動の自粛を余儀なくされる事態となりました。期待されたオリンピックも延期され経済も停滞している状況はご承知の通りであります。

 コロナ禍は当然のことながら当会にも及びました。事業活動は抑止され、会内の会議は停止状態になり、財政見通しも厳しくなっております。

版画 初春
 版画 初春(MK氏作)

 そのような中で、リモートワークの多い海外事業活動が順調に推移していることはありがたいことといえるかと思われます。また、通常総会,臨時総会,理事会は電磁的手段等を活用して遅滞なく実施しました。春に続き、11月には観音崎自然博物館の協力を得て、元気ファンド事業を実施。感染対策をしながら子供たちが横須賀の自然を楽しむ「ものづくり教室」を開催し盛会でした。
 また、会内では今後の事業活動の進め方について、Webによるビジュアルコミュニケーション,IT支援やIoT支援などの意見交換がありました。

 高齢化に加えコロナ禍で、ともすると私たち高齢の世代は身動きが取れない事態となっております。自宅待機や団体活動の自粛などで世の中のボランテイア活動全体が停滞することが懸念されます。そんな中で個々が、ボランテイア団体が、社会とどう繋がりを持続するかが大きな課題ではないでしょうか。
 当会でも、このコロナ禍の中で、オンライン会議の活用による会員有志間交流が実施されるとともに、Webサイトの更新通知やメルマガ発行による情報発信の提案があり、ボランテイア活動の意義を再確認し、私たち自身の持続可能な目標の展開を強く感じているところであります。

 一方、コロナ禍による産業構造のイノベーションが興るとの識者の見解があり、二つ目は、国の経済成長戦略として、➀環境対策(脱炭素化に2兆円の基金)、②デジタル化に1兆円支援を掲げています。この二つの動向を適確に見て、新しい支援課題として研鑽する必要があると考えています。是非、皆様からのご提案もお寄せ下さい。

丑

 干支の丑は、『漢書』律暦志によると、「紐」(ちゅう:「ひも」「からむ」の意)。芽が種子の中に生じてまだ伸びることができない状態を表しており、指をかぎ型に曲げて糸を撚ったり編んだりする象形ともされるようです。

 今年もコロナ禍の中で牛歩を続けざるを得ないと思われます。丑は新しいものを生み出す隠忍自重の時と捉え、NPO活動について、新しい芽吹きを模索し育成したいと考えております。

 最後に、皆様のますますのご健闘とご健康を祈念いたします。また、当会に対しても変わらぬご支援・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
 

    怠らず行かば千里(ちさと)の果ても見む 
                  牛の歩みのよし遅くとも
 (『武家百人一首』) 


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