令和新時代のご挨拶

創立16周年を迎えて

令 和 新 時 代 の ご 挨 拶

子
木下 武理事長
木下 武 理事長

 新春を迎えお慶びを申し上げます

 本年は干支の初め、子年の縁起の良い新年を迎えました。昨年は皇室慶事が行われ、改元に伴う重要行事が終了し令和新時代が始まりました。 

 昨年15周年を迎えた当会も、現状の支援体制を見直し、新時代に相応しい新体制を構築する準備に入ります。産官学の関係機関ならびに関係諸団体の皆様のご指導とご支援をお願い申し上げます。

 さて、県下の中小企業をめぐる景況感は下降傾向を示しているといわれており、高齢化や人材不足など難しい課題もあります。従来からの支援活動を如何に改善・実施するか常に問われる宿題です。また、昨年は大型台風の襲来で、横浜市金沢臨海工業地域では甚大な被害が発生し未だ完全復旧には至っておりません。

加藤氏作成の版画「水芭蕉」
加藤氏作成の版画「水芭蕉」

 昨年は、収益3部門の業績はまずまずで、非収益部門も認定要件を満たす支援活動をいたしました。また、会員募集では今年度も入会者があり、高齢化問題には明るいニュースになりました。活動地域の拡大に寄与してくれると期待しております。しかし、活動内容の充実・深堀等には、現有会員数(法人会員19社、個人会員32名)では不足気味で大手企業OB、行政・大学同窓会の有志などの参加が期待されます。

 活動実績では HPの新規受注,経営コンサルテイング,業務指導、翻訳・通訳等海外関連業務支援,技術管理支援 などあり、情報セキュリテイセミナー開催、横須賀市立市民活動サポートセンターでの「なんでも相談室」(毎月第3水曜日)開催など「一般市民へのサービス」を着実に実施しています。

 認定NPO法人として、活力・行動力あるシニア集団が地域社会のニーズに答え、“しぶとく”活動・成長・模索するとともに、内部的にはクラスタークラブを充実させ、囲碁将棋・音楽・ゴルフ・ボーリング・飲み会などの催しを会員間で高めていきたいと存じます。皆様方の倍旧のご支援・ご鞭撻をお願い申し上げます。

初子(はつね)の日に詠まれた初音の和歌

  松の上に鳴く鶯の声をこそ
      初音の日とはいふへかりけれ 宮内『拾遺和歌集』

五葉松に鶯
五葉松に鶯

【皇太后藤原穏子(おんし)に仕えていた女房の宮内(くない)という者がまだ童女の頃、小松を根引きして長寿を祝う正月初子(はつね)の日に、醍醐天皇の御前で五葉松にとまっている鶯が鳴いたのを詠まれた和歌。
 「松の上に鳴く鶯の声を初めて聞く日こそ、初音の日とはいうべきですね」との意。松は「待つ」の掛詞で、「松に鶯」は「待つに鶯」に導かれ、鶯の初音を待ちわびていることを示す。初音は初子との掛詞。】

 清少納言は「鶯は九重(ここのえ、御所)では鳴かない」といっているが、それ以前にすでに鳴いていたという反例である。清少納言は何を意図したのであろうか。

 『源氏物語』では2点影響が見られる。
 1点目は、「五葉松に鶯」の飾り物が初音の巻に登場することである。そして、「松に鶯」の喩えを定着させる。2点目は、前述の和歌の本歌取りをして、初音の巻で明石の御方が次の和歌を詠んでいることである。

  年月を松にひかれて経(ふ)る人に
     今日鶯の初音聞かせよ   明石の御方

 この和歌は、実の娘である明石の姫君に宛てた手紙として記されている。明石の姫君は、光源氏と明石の御方の娘であるが、明石の御方の父の夢見により将来の皇后とされる。そのために、光源氏の家に預けられ紫の上によって養育される。
 その姫君を鶯に喩え、初音、すなわち姫君の声を聞かせてほしいと乞うているのである。会いたい気持ちを初音に転化して表現しているところが『源氏物語』の奥深いところであろうか。
 「松に引かれて」は初子の日に小松を引く行事を引用し、初子の言葉を導き出し、鶯の初音の掛詞としている。「経る(ふる)」は「古(ふる)」の掛詞で、明石の御方が年をとったことを示している。


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