「2025年度 Japan IT Week展示会」参加

活動報告

「2025年度 Japan IT Week展示会」参加

個人会員:槌谷祐一

 先日、4月23日から25日まで東京ビッグサイトで開催された「2025年度Japan IT Week 展示会」に参加しましたので、その概要とトピックスをご報告いたします。
 今回は、産業クラスター研究会個人会員4名で24日にIT技術及び情報セキュリティ関係の展示を中心に視察しました。事務局発表のデータに基づき今回の展示会の状況を以下にまとめました。

来場者数(人)対前年増加率(%)出展社数対前年増加(%)
2023年度45,384722
2024年度53,91618.787522.2
2025年度57,8027.2950(見込)8.6

 上記の表からも明らかなように来場者と出展社数の両方が顕著に増加しており、日本のITセクターへの関心の高まりと活況が伺えます。この大幅な増加は日本におけるデジタルトランスフォーメーションの推進をはじめとする様々な要因によると考えられ、最新の技術や手法に関心を持つ技術者・専門家・経営者にとって魅力的なイベントになっています。

 今回のJapan IT Week2025は、情報技術(IT)とデジタルトランスフォーメーション(DX)を全体テーマに、以下4つの主要な展示会で構成されていました。

  1. Japan IT Week:システム開発、運用、保守に焦点を当てたソフトウェア&アプリケーション開発展
    • IoT&エッジコンピューティング展
    • 情報セキュリティ展
    • データセンター展、IT人材発掘・育成展
  2. Japan DX Week:日本におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を牽引する展示会
    • AI・業務自動化展
    • オフィス業務DX展
    • データドリブン経営展、現場改善DX展
  3. セールス&デジタルマーケティングWeek: セールスおよびデジタルマーケティングに関連するソリューションとサービスを紹介する展示会
    • ・セールスデジタル変革展
    • ・デジタルマーケティング展 
  4. EC・店舗Week: 通販および店舗運営の最適化に特化した展示会
    • ・EC UI/UX改善展
    • ・EC物流・総合支援展
    • ・店舗省人化・DX展、店舗運営・管理展

 これらの展示会では、ノーコード/ローコード開発、AI、サイバーセキュリティ、データセンターインフラストラクチャ―など、幅広い分野の最新のトレンドが紹介されていました。特に印象的だったのは、生成AIの具体的な業務への応用事例の提案が目覚ましく増加していた点です。AIのセキュリティ分野への応用はまだ発展途上であるものの、今後のサイバーセキュリティ対策において重要な要素となることが期待されます。

 以下に印象に残った事例をいくつか紹介します。

kintone : 従来のグループウエアとしての機能に加え、アプリ作成AI機能や検索AI機能が新たに搭載され、ノーコード・ローコード開発の初心者でもより手軽に利用できるよう進化していました。

AeyeScan:これまで手作業で行われていたセキュリティ診断を、AIやRPA等の技術を活用することで自動化・高速化したWebアプリケーション脆弱性診断ツールです。診断対象となるサイトのURLをWebブラウザに登録するだけで、診断準備が完了するという簡便さが大きな特徴です。

Trend Vision OneTM :サイバー攻撃の脅威は、AIを活用した高度な攻撃や拡大する攻撃対象を特徴とし、進化を続けています。このような状況に対し、トレンドマイクロ社では「プロアクティブセキュリティ」というアプローチを重視しており、「Trend Vision OneTM」プラットフォームを提供しています。このプラットフォームでは脅威に事後対応するのではなく事前に予測し、防御することを重点にしています。その主要構成はサイバーリスクエクスポージャー管理(CREM)、AI駆動型分析、及び多層防御にわたる拡張検知(XDR*)が含まれているとのことです。 


*)XDR:端末・メール・ネットワークなどを統合監視・分析し、複数のセキュリティツールを連携させて攻撃を早期に発見して、迅速に対応できる仕組み。