鶯谷駅名の由来考

鶯に誘われてシリーズ

鶯谷駅名の由来考

1.概要

 東京という大都会の中心地に、幽谷を思わせる鶯谷という駅がある。不思議な取り合わせである。その妙に感興を覚え、由来を詮索したくなってきた。
 鶯谷駅が開業されたのは明治45年(1912)のことである。当時の鶯谷駅付近の地名は東京市下谷区上野桜木町、現在の台東区根岸1丁目である。駅名は土地の名前を採用することが多いといわれるが、その通例には従っていない。どういう経緯で名付けられたのであろうか。

 由来に関係のありそうな資料を探してみると、

  ① 鶯谷駅南口の「鶯谷の由来」の説明板
  ② 『東京下谷 根岸及近傍図』の鶯谷

という2つの興味深い資料が見つかった。

 (1)は、『江戸砂子』を引用しているが、明和9年(1772)に刊行された地誌『再校江戸砂子温故名跡志』であろうと思われる。『江戸砂子』に鶯谷駅の由来が記載されている筈もなく鶯谷駅の由来説としての典拠はもうひとつ明確ではない。
 (2)は、明治時代の国語学者の大槻文彦の地図であるが、それには鶯谷としてほとんど知られていない、鶯谷駅の一帯がその場所として記されている。関連資料と照合して新たな由来仮説を作成してみたので紹介したい。

  1. 概要
  2. 鶯谷駅南口の説明板「鶯谷の由来」に基づく由来説
  3. 『東京下谷 根岸及近傍図』における鶯谷に基づく由来説
  4. 参考資料

   


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